Picogrid 🇺🇸
所在地:カリフォルニア州 (米国)
累計調達額:$13.1mn (約20億円)
最新調達:Seed (2024年8月 $1.1mn (約1.7億円 154円レートで計算))
著名投資家:-
著名防衛投資家:Alumni Ventures
事業カテゴリー: 自律システム・オペレーション
主要領域:サイバー・デジタル領域
事業内容:防衛システム統合プラットフォーム「Legion」の開発・運営
Picogridは2020年、米陸軍工兵隊研究開発センター(ERDC)で防衛技術開発に従事したZane Mountcastle氏, Martin Slosarik氏, ニューヨーク大学アブダビ校出身のDan Chirita氏により創業された防衛テック企業です。同社は、異なる企業や組織のシステムを統合するプラットフォーム「Legion」を核としたシステム統合サービスを提供しているとされています。従来、軍事作戦においては、異なるメーカーのセンサー、ドローン、レーダー、武器システムがそれぞれ独立して動作し、相互通信や相互運用が困難であったことから、作戦効率の低下や意思決定の遅延が課題となっていたと指摘されています。Legionは、こうした異なるシステム間のデータ翻訳・統合機能を提供し、陸軍の主要調整アプリケーションであるTactical Awareness Kit(ATAK)等の既存コマンド&コントロールシステムとリアルタイムで連携することで、統合的な戦場状況把握と意思決定プロセスの高度化に資するプラットフォームとして位置づけられています。民間領域では、2025年10月にPalantirのMaven Smart System(MSS:米軍が使用するAI駆動型戦場作戦プラットフォーム)との統合が発表されており、Legionを介して地上センサー、ドローン、その他のフィールドシステムからのデータをリアルタイムにMSSへ供給する構成が示されています。また、2025年7月にはSkydioとのパートナーシップが公表され、Skydio製ドローンとLegionの統合により、自律飛行や複数機のドローンを同時に運用する機能を組み合わせたフィールド監視・運用の高度化が図られているとされています。防衛分野においては、2023年8月に米空軍とのJoint All Domain Command and Control(JADC2)能力開発に向けた不定数量契約で契約上限額950百万ドル(約1,463億円)が締結されたと公表されており、複数の領域にまたがるシステム間でデータを連携させ、全体として一体的に運用するための能力を実証する取り組みが進められているとされています。さらに2025年6月には、米陸軍によるLegionプラットフォーム展開に関する契約を110万ドル (約1.7億円)が締結されたと公表されており、米陸軍工兵隊研究開発センター(ERDC)建設工学研究所が主導して、実運用環境を想定した研究・検証が進められている旨が示されています。加えて、2025年9月にはNorthrop Grummanとの協業が発表され、同社の対ドローン防衛システムAiONとLegionを統合することにより、複数サイトの防空レーダー・センサーを任意の場所から監視し、異なるメーカーのセンサーおよび武器システム間でリアルタイムに情報共有を行う運用形態の構築が図られて、防衛システムの統合及びリアルタイムでの情報共有の効率が向上することになると期待されています。
事業状況:
Picogridは2026年1月、先進的な電磁戦(EW)および無線周波数(RF)センシングを専門とする企業であるCX2と新たなパートナーシップを提携したと公表しました。この提携により、米陸軍の防空アーキテクチャにスペクトラムセンシング機能を組み込み、Legionを通じて電磁環境情報と他のセンサー情報を一体的に扱う取り組みが進められているとされています。また、米陸軍部隊においてLegionを用いた現場データの統合・共有が進められていることも公表されており、今後、陸軍現場での運用実績の蓄積とともに、防空・状況認識分野での適用拡大が期待されています。
注意: 本稿は、公開情報および政策文書に基づく一般的な整理を目的としたものであり、特定の企業、技術、能力の優劣や戦略的示唆を意図するものではありません。個別の分析や議論については、関係者間の適切な枠組みのもとで行われるべきものと考えています。