Unseenlabs 🇫🇷
所在地:レンヌ (フランス)
累計調達額:$133.9mn (約206億円)
最新調達:Series C (2024年2月 $ - )
著名投資家:-
著名防衛投資家:Bpifrance
事業カテゴリー:情報収集・分析
主要領域:宇宙領域
事業内容:海洋特化型のRF信号によるダーク船舶等の位置特定情報の提供
Unseenlabsは、ITサービス会社である元Atosにおける宇宙領域の技術リーダーであったClément Galic氏、と元Airbus Defense and SpaceにおけるソフトウェアエンジニアであったJonathan Galic氏のGalic兄弟が2015年に設立した、RF(無線周波数)信号をリアルタイムで検知・地理空間情報化するRF GEOINT(地理空間情報)テック企業です。同社システムは、船舶自動識別装置(AIS:船舶が自身の位置・速度・船名などを周囲に自動送信する装置)をオフにしたり位置情報を偽装したりする「ダーク船舶」を含む、あらゆる電波発信源を特定する技術基盤が構築されており、位置座標・正確なタイムスタンプ・電波パラメータを標準フォーマットで提供しています。現在は主に海洋領域を対象としているものの、同社技術は将来的な陸上・宇宙領域への拡張の基盤として位置づけられています。平時利用では、2024年11月にバルト海で発生した海底ケーブル切断事案において、Unseenlabsの衛星が事案発生前の8月中にバルト海全域で多数の電波位置情報を取得しており、その中にはAISをオフにした状態で航行していた船舶の電波検知記録が含まれていたことを公表しました。AISを意図的に停止した船舶がケーブル敷設ルート付近で確認されたことは、海底重要インフラへの脅威検知において電波監視技術が有効に機能することを示すものと考えられています。一方防衛分野では、2025年6月、ESA(欧州宇宙機関:European Space Agency)によりCopernicus Contributing Missions(コペルニクス貢献ミッション:EUの地球観測プログラム「コペルニクス」に公式データを提供する民間・政府衛星ミッションの認定制度)のCategory 1への選定が公表されました。同選定は、電波検知データが欧州旗艦地球観測プログラムに公式に組み込まれる初の事例として、ヨーロッパの技術的自律性強化に資するものと位置づけられています。また、2025年9月には南シナ海において、中国海警局(CCG)艦艇がAIS信号を停止した後も、電波インテリジェンス及び電波フィンガープリント技術により追跡継続が可能であることが公表されました。同技術はグレーゾーン事態(武力攻撃には至らないものの、通常の外交的手段だけでは対処が困難な、国家の主権や安全を脅かす行為)下における海洋状況把握(MDA:Maritime Domain Awareness、海上で何が起きているかをリアルタイムで把握する能力)の有効な手段として位置づけられ、フィリピンのEEZ(排他的経済水域)内における主権侵害行為の可視化への活用可能性があると推測されています。
事業状況:
Unseenlabsは、2025年12月にS&P GlobalとのRFデータ統合・活用に関する協業を公表しました。同協業により、UnseenlabsのRF(無線周波数)検知データがS&P Globalの海事・コモディティ情報プラットフォームに統合され、金融・保険・リスク管理分野における船舶動静の透明性向上に活用される見込みです。ダーク船舶の追跡を民間の市場情報と組み合わせることで、制裁逃れや違法取引の検知精度が向上すると考えられています。
注意: 本稿は、公開情報および政策文書に基づく一般的な整理を目的としたものであり、特定の企業、技術、能力の優劣や戦略的示唆を意図するものではありません。個別の分析や議論については、関係者間の適切な枠組みのもとで行われるべきものと考えています。