Saildrone 🇺🇸
所在地:カリフォルニア州 (米国)
累計調達額:$299.5mn (約461億円)
最新調達:Series C (2025年10月 $50mn (約77億円 154円レートで計算))
著名投資家:Lux Capital
著名防衛投資家:Washington Harbour Partners, Lockheed Martin
事業カテゴリー: 自律システム・オペレーション
主要領域:海上領域
事業内容:自律型無人水上艇(USV)による海洋データ収集・監視プラットフォームの提供
Saildroneは、元風力駆動車の世界速度記録保持者で、かつインペリアル・カレッジ・ロンドン出身のRichard Jenkins氏によって2012年に設立された、風力・太陽光を動力源とする自律型無人水上艇(USV)による海洋監視・海底マッピングサービスを提供する防衛テック企業です。同社は特許取得済みの硬翼帆(ウィング)によって風力を推進力に変え、搭載された太陽光パネルでセンサーや通信機器の電力を賄う自律型無人水上艇技術を基盤としています。Explorer、Voyager、Surveyorというサイズや用途の異なるモデルが展開されており、これらは二酸化炭素を排出せず、燃料補給なしで最長12か月間の洋上自律航行が可能とされています。民間領域では、2024年においてケイマン諸島の排他的経済水域(EEZ)全域にわたる海底マッピングが実施されました。このミッションにより、約90,000平方キロメートルに及ぶ海域のデータ化が達成され、従来の有人観測船ではコスト・技術面での課題があった島嶼国のブルーエコノミー推進を支援する環境整備が進められています。一方、防衛分野では、2025年8月に国土安全保障省(DHS)より米国沿岸警備隊(USCG)の海洋領域認識(MDA)支援を目的とした上限3,700万ドル(約58億円)・期間3年の包括購買協定(BPA:Blanket Purchase Agreement)が付与されたことが公表されました。同協定は国際水域および米国沿岸水域における安全確保を目的として、薬物・移民取締、沿岸インフラ監視、違法漁業対処(IUU)、捜索救難等の多様なUSCG任務に対するISR支援が進められるものと位置づけられています。さらに、国防イノベーションユニット(DIU)とのOTA(Other Transaction Authority)契約が量産フェーズに移行しており、光学・赤外線カメラ(EO/IR)や船舶自動識別装置(AIS)を搭載したUSV「Voyager」が国防省および米政府機関向けに追加競争なしで調達可能な枠組みが整備され、船上の機械学習アルゴリズムによる違法漁業・不審船の検知・識別を通じた広大な海域における監視網構築が進められています。
事業状況:
Saildroneは、2026年1月に防衛大手Lockheed Martinとの協業により、20メートルのSaildrone Surveyorにおいて、Lockheed Martinの実戦検証済みJAGM Launcherを搭載することが公表されました。Lockheed Martinの5,000万ドル (約77億円) 投資を受けて、指揮統制機能強化、艦隊防御・信号情報収集・偵察・対艦ミサイル発射等の複数任務対応が進められており、2026年夏の概念実証統合と実射試験を予定した有人・無人混合艦隊構想の実現が進められると考えられています。
注意: 本稿は、公開情報および政策文書に基づく一般的な整理を目的としたものであり、特定の企業、技術、能力の優劣や戦略的示唆を意図するものではありません。個別の分析や議論については、関係者間の適切な枠組みのもとで行われるべきものと考えています。