goTenna 🇺🇸
所在地:ニューヨーク州 (米国)
累計調達額:$48.5mn (約75億円)
最新調達:Acq: Forterra (2024年7月 $- )
著名投資家:Founders Fund, Union Square Ventures
著名防衛投資家:-
事業カテゴリー: 次世代インフラ・通信基盤
主要領域:航空領域
事業内容:携帯電話回線不要のメッシュネットワーキングシステムの開発・運営
goTennaは2012年、タフツ大学出身のDaniela Perlein氏とペンシルベニア大学出身のJorge Perdomo氏兄妹により創業され、携帯電話回線・Wi-Fi・衛星通信に依存せず、デバイス同士が直接通信し中継を重ねることで通信範囲を広げるモバイルメッシュネットワーキング技術を提供しています。従来、緊急時や遠隔地での通信は携帯電話網に依存しており、インフラが損壊した場合や山岳地帯等の電波不感地帯では通信が困難となることが課題とされてきました。同社が提供する「goTenna Pro X2」は、重量約100gの小型・軽量な戦術用メッシュネットワーキングデバイス(携帯電話回線が使えない環境でも、端末同士が直接つながり中継し合うことで通信網を構成する機器)であり、標準構成で約15マイル、地上リレー使用時で約55マイル、空中リレー使用時で100マイル超の通信距離を実現するとされ、暗号化技術により安全な通信を可能としています。民間領域では、モンタナ州Missoula County Sheriff’s Officeの指揮下で活動するボランティア救助組織Missoula County Search and Rescue(MCSAR)において、西モンタナの山岳地帯での24時間365日の捜索・救助活動で使用されていると公表しました。無線中継器から離れ、地形的に電波が遮られるGold Creek地域では音声無線通信が困難でしたが、goTennaのメッシュネットワークと米空軍開発の位置情報共有アプリATAKを組み合わせて運用することにより、確実な位置情報共有とメッセージ通信が可能になったとされています。また、コロラド州のMontrose Helitack消防隊は、2018年7月のTabeguache Fire消火活動において同様の組み合わせを使用し、携帯電話が利用できない峡谷環境下においても、ヘリコプターと地上部隊の位置情報を共有し、隊員間の調整を維持したと報告しています。一方防衛分野では、goTennaは2022年7月に米空軍から第2弾となるAFWERX Phase I契約を獲得したと公表しました。同契約では、将来のDecoupled Network Operations Platform(DNOP:ネットワークの一部が切断・分断されても残存部分で運用を継続できるようにする運用プラットフォーム)構想に基づき、Mobile Ad-hoc Network(MANET:固定基地局を持たず端末同士が自律的に接続・中継し合う移動型ネットワーク)の動作状況をセンシング・監視し、各端末から得られる情報を軽量なネットワーク分析プラットフォームで処理することで、戦術・作戦レベルの意思決定支援への活用可能性が示されたとされています。さらに2024年9月には、米空軍のAFWERX Strategic Funding Increase(STRATFI)Programから1,500万ドル(約23億円)規模の契約を獲得したと公表されています。同プロジェクトでは、市販機器(Commercial Off-The-Shelf:COTS)ベースのメッシュ通信能力(複数の通信点が相互に接続され、一方が切断されても別の通信経路から通信を継続できる仕組み)の強化を通じて、米国空軍が重要課題として位置づける「Resilient Information Sharing(通信インフラが損壊・妨害された状況下でも情報共有を継続する能力)」の実現に資するものと考えられています。
事業状況:
goTennaは2025年にForterra社による買収を完了したことを公表しました。本買収によりモバイルメッシュネットワーキング技術が防衛システムに統合され、戦場における耐性のある通信および自動運用システムの展開拡大が期待されています。
注意: 本稿は、公開情報および政策文書に基づく一般的な整理を目的としたものであり、特定の企業、技術、能力の優劣や戦略的示唆を意図するものではありません。個別の分析や議論については、関係者間の適切な枠組みのもとで行われるべきものと考えています。