Quantum Systems 🇩🇪

所在地:ベルリン (ドイツ)
累計調達額:$597.6mn (約920.3億円) 
最新調達:Series C (2025年12月 $ - )
著名投資家:Peter Thiel
著名防衛投資家:Project A Ventures, US DoD
事業カテゴリー:自律システム・オペレーション
主要領域:航空領域

事業内容:eVTOL固定翼無人航空機システムの開発・製造、航空測量データサービスの提供

Quantum Systemsは、ドイツ連邦軍の元士官であったFlorian Seibel氏、ドイツ空軍出身のArmin Busse氏らにより2015年に設立された、民生・防衛の両用途に対応する(デュアルユース)電動垂直離着陸型(eVTOL)無人航空機の開発・製造テック企業です。同社の中核技術は、ヘリコプターのように垂直に離着陸できるマルチローター(複数プロペラ)の機動性と、飛行機のように長時間・長距離を飛べる固定翼の利点を組み合わせた電動垂直離着陸方式にあり、滑走路やカタパルト(射出装置)が不要で、狭い場所からでも自律的に発着できる柔軟な運用が可能です。衝撃を吸収する脚部(ランディングギア)による直接着陸により、パラシュート回収に伴う機体損傷リスクを回避し、製品寿命の延長とメンテナンスコストの削減が図られています。主要製品として、商業用途向けの測量・地理空間データ収集に特化した「Trinity Pro」、戦術偵察・監視任務向けの「Trinity Tactical」の2つがあり、自社開発の「MOSAIC UXS」ミッション管理ソフトウェアにより、異なるメーカー・機種の無人機を統合的に制御し、ミッション計画から実行までを一元管理する相互運用性の高いシステムが提供されています。商業分野では、2025年8月に米国オハイオ州East Palestine村において、Cleartopia Solutions社がTrinity Proを使用し、2023年2月の列車脱線事故後の復旧・再開発計画を支援する大規模航空測量ミッションを実施したと公表されています。同ミッションでは、2日間の飛行で5,000エーカー以上のエリアをマッピングし、10,000枚以上の画像から高精度な地図・3Dモデルデータを生成し、村の公園開発計画や環境復旧プロジェクトに活用されていると考えられています。防衛分野では、2023年6月に米国特殊作戦軍(USSOCOM)が、米国防総省(DoD)のAPFITプログラムを通じてQuantum-Systems Inc.に対し2,000万ドル(約30億円)の資金提供を決定したと公表されました。同資金提供は、Vector固定翼eVTOL小型UASの製造能力拡大と特殊作戦部隊への迅速な配備加速を目的としていると考えられています。また、2025年12月にドイツ連邦装備・情報技術・運用支援局(BAAINBw)との間で、ALADIN偵察システムの後継機として最大747機の偵察ドローン調達に関する枠組み契約を締結したと公表されました。同契約では、147機の確定発注に加え最大600機の追加調達オプションが設定され、年間最小250機の納入が保証されています。ALADIN後継機として導入されるTwisterシステムは、最大離陸重量4kg・航続距離15kmの仕様を有し、分隊・小隊レベルでの戦術偵察任務を目的としたeVTOL小型UASです。EO/IRジンバル(EO:電磁光学センサー、IR:赤外線センサー)とオンボードエッジAI(機体に搭載された小型AI演算装置)により昼夜を問わない精密偵察が可能であり、GNSS拒否・電子妨害環境下でも完全動作することが公表されています。制御はMOSAIC UXSにより行われ、既存のALADIN・FALKEシステムとの相互運用性の確保とパイロット訓練時間の短縮が図られています。

事業状況:
Quantum Frontline Industries(QFI)は、2026年2月のドイツ国内で製造された初のウクライナ製ドローン「Linza 3.0」のゼレンスキー大統領への引き渡しを公表しました。同ドローンはAI対応の視覚慣性航法モジュールを搭載し、最大4kgのペイロードを搭載した状態で最大15kmの飛行距離・最大60分の飛行時間を実現すると見込まれており、年間1万機規模の量産体制への移行に伴い、ウクライナ軍の運用能力が大幅に向上すると推測されます。

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注意: 本稿は、公開情報および政策文書に基づく一般的な整理を目的としたものであり、特定の企業、技術、能力の優劣や戦略的示唆を意図するものではありません。個別の分析や議論については、関係者間の適切な枠組みのもとで行われるべきものと考えています。

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