SatVu 🇬🇧
所在地:ロンドン (イギリス)
累計調達額:$56.6mn (約87.2億円)
最新調達:Series A (2024年11月 $13.7mn (約21億円 154円レートで計算))
著名投資家:-
著名防衛投資家:Lockheed Martin Ventures
事業カテゴリー:衛星・レーダーによる監視・観測
主要領域:宇宙領域
事業内容:赤外線熱画像衛星の開発・運用、熱画像データインテリジェンスサービスの提供
SatVuは、元SES(ルクセンブルク衛星通信企業)副社長であるAnthony Baker氏、元ロンドン警視庁の地理情報システム開発専門家であるTobias Reinicke氏により2016年に設立された、宇宙からの高解像度熱画像データを提供するサーモグラフィー・テック企業です。同社の技術基盤は、中波赤外線(MWIR:Mid-Wave Infrared、波長3.7-5μm帯の赤外線領域)センサーを搭載した小型衛星により、地表の熱変化を最大3.5m解像度(地上の3.5m四方の物体を識別可能な精度)で捉える能力にあります。従来の可視光画像では昼間の構造物外観しか捉えられず、また商業利用可能な他の熱画像は解像度が約100mと低いのに対し、SatVuの高解像度赤外線画像は昼夜を問わず構造物内部の活動を示唆する熱シグネチャー(熱の痕跡・特徴)を検知できる設計となっています。民間事例として、2025年9月にSanborn Map Company社(米国地理空間ソリューション企業)との複数年パートナーシップ契約を締結したと公表されました。同契約により、都市環境における区画レベルでの熱マッピング(土地の小区画ごとに熱分布を可視化)によるエネルギー効率プログラムおよび気候適応計画の支援、産業施設・エネルギーインフラの運用状況把握による効率改善が進められていると考えられています。一方防衛分野では、2025年6月に米国国家地理空間情報局(NGA)のLuno A & Bプログラムにおいて、5社の産業パートナーとチームを組み高解像度熱画像を統合する役割を担うことが公表されました。同プログラムは、低照度環境下での活動パターン検知および政策立案者への意思決定支援を目的としていると考えられています。2025年9月には、IHI株式会社と日本の国家安全保障および経済安全保障市場に向けたIR衛星コンステレーションの主権性を確保し、さらにデュアルユース(軍民両用)のユースケースの探求を目的とした協力体制の構築に合意したと公表しました。同協力は、日本主権型高解像度熱赤外線衛星コンステレーションの要件定義および国内衛星製造を含む日本におけるコンステレーション構築・運用のための最適な事業体制の検討を目的としていると位置づけられています。加えて、2026年2月に米国国家偵察局(NRO)との間で、HotSat衛星搭載の中波赤外線カメラによる熱赤外線画像データの提供契約を獲得したと公表されました。同契約は、従来の可視光衛星では取得困難な熱赤外線画像データを国家安全保障任務に活用する取り組みとして位置づけられています。
事業内容:
SatVuは、2026年1月に元BlackSky CTO(最高技術責任者)、元Maxar CPO(最高製品責任者)であり30年以上にわたり宇宙ベースの情報収集能力構築に従事してきたScott Herman氏をCTOとして招聘したと公表しました。同人事は、国家安全保障・経済監視・環境監視任務向けの熱画像インテリジェンス提供の規模拡大に伴い、政府・同盟国顧客による24時間365日の昼夜を問わない運用支援を実現するためのプラットフォーム戦略および製品開発の統括体制強化として位置づけられています。
注意: 本稿は、公開情報および政策文書に基づく一般的な整理を目的としたものであり、特定の企業、技術、能力の優劣や戦略的示唆を意図するものではありません。個別の分析や議論については、関係者間の適切な枠組みのもとで行われるべきものと考えています。