Helsing 🇩🇪

所在地:ミュンヘン (ドイツ)
累計調達額:$1.7bn (約2,584億円) 
最新調達:Series D (2025年6月 $719.2mn (約1,107.6億円 154円レートで計算))
著名投資家:General Catalyst, Accel, Lightspeed Venture Partners
著名防衛投資家:-
事業カテゴリー:自律システム・オペレーション 
主要領域:航空領域

事業内容:AIによる防衛用センサー統合と装備品の自律化・知能化

Helsingは、元Hellsicht (AI企業) の創業者であるNiklas Köhler氏、元NaturalMotion(Zyngaに5億2,700万ドル/約811億円で買収)の創業者であるTorsten Reil氏、そして元McKinseyのパートナーであったGundbert Scherf氏が2021年に創業した欧州発のAI防衛テック企業です。同社は、人工知能を中核としたマルチドメイン(陸・海・空・宇宙・サイバーなどの異なる戦闘領域)防衛プラットフォームの開発・量産を進めています。同社の中核製品は、自律戦闘機コンセプト「CA-1 Europa」、AI攻撃ドローン(自律的に目標を捜索・識別して攻撃を行う無人機)「HX-2」、自律水中プラットフォーム「SG-1 Fathom」「Lura」、空戦AIエージェント「Centaur」、電子戦AI「Cirra」、ミッションオーケストレーション(作戦における複数の無人機やセンサーを調整・統合管理すること)用AI「Symphony」などが示されており、航空・海洋・水中ドメインを横断したAI防衛ソリューションの構築を進めています。防衛分野においては、2025年6月にスウェーデン国防装備庁(FMV: Swedish Defence Materiel Administration)との「Future Fighter Concept Studies」の一環として、Helsingの空戦AIエージェント「Centaur」を搭載したSaab Gripen E戦闘機の試験飛行を実施したことが公表されました。同試験は、バルト海上空のBeyond Visual Range(目視外空対空戦闘)シナリオにおいて、対空戦闘用AIエージェントが機動と射撃指示を担う形で実機を制御し、構想から6か月未満で実飛行に到達したとされており、ソフトウェア定義型戦闘機アーキテクチャを活用したAI統合の実証事例として位置づけられています。また、2025年10月には自律型水中航走体(AUV: Autonomous Underwater Vehicle)を専門とするBlue Ocean社の買収プロセスに入ったことを公表しました。この買収は、英国・オーストラリアに拠点を持つBlue Oceanの水中プラットフォーム設計・製造能力と、HelsingのエッジAI処理技術を統合することで、Intelligence, Surveillance and Reconnaissance(ISR: 情報・監視・偵察)や対潜戦に用いられる自律水中プラットフォームの開発・量産を加速させることが位置づけられており、水中ドメインにおけるAI自律システムの実証と生産体制整備が進められていると考えられます。さらに、2025年11月にはEurofighter(欧州共同開発の戦闘機)向け電子戦能力のアップグレードに関し、Saab Germany(サーブ・ドイツ:スウェーデンの防衛企業サーブのドイツ法人)とともに人工知能ソフトウェアを提供する契約を締結したことが公表されました。契約額は3桁百万ユーロ規模 (数百億円規模)とされており、同契約において電子戦AI「Cirra」がSaabのAREXIS(アレクシス:Saab製の電子戦システム名)センサースイート(複数のセンサーを統合したシステム群)に統合されることで、未知の防空レーダー信号を機上でリアルタイムに識別・意図推定し、Eurofighter (多用途戦闘機) の生残性と状況認識能力の向上に資することが見込まれています。

事業状況:
Helsingは2025年12月に、Kongsberg Defence & Aerospace社と連携し、AI技術を活用した宇宙配備型のISR能力の構築を進めると公表しました。同取り組みは、欧州における宇宙領域把握(SDA)および独自の衛星インテリジェンス能力の確保に資するものとして位置づけられており、軌道上でAI処理を行う自律的な衛星コンステレーションの2029年までの配備に向けた検討・実証が進められると考えられています。

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注意: 本稿は、公開情報および政策文書に基づく一般的な整理を目的としたものであり、特定の企業、技術、能力の優劣や戦略的示唆を意図するものではありません。個別の分析や議論については、関係者間の適切な枠組みのもとで行われるべきものと考えています。

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