累計調達額:$54.6mn (約84億円) 
最新調達:Acq: Iridium (2024年3月 $- )
著名投資家:-
著名防衛投資家:-
事業カテゴリー: 衛星・レーダーによる監視・観測 
主要領域:宇宙領域

事業内容:グローバル衛星通信サービスおよび測位・航法・時刻(PNT)サービスの提供

Satellesは、MITで航空電子工学の学士号を取得し、スタンフォード大学大学院で航空宇宙学を修了したMichael O'Connor氏が2013年に設立された米国の衛星位置・時刻情報技術企業です。同社は、低軌道に配置された衛星を活用した「Satellite Time and Location(STL)」サービスを開発・商用展開しており、GPSが利用できない環境や電波妨害を受けた場合における位置・時刻情報の代替・補完手段として位置づけられています。従来、位置・時刻情報はGPS衛星に大きく依存してきましたが、屋内環境や建造物内での受信困難、および意図的な電波妨害(ジャミング)・なりすまし(スプーフィング)による脆弱性が課題として指摘されていました。STLサービスは、Iridiumが運用する66機の低軌道衛星ネットワークを活用し、GPSの約1,000倍の強度を持つ信号で位置・時刻情報を全球に提供する測位・航法・時刻(PNT)プラットフォームとして機能しており、屋内や遮蔽環境でも受信が可能、かつ電波妨害・なりすましに対する耐性を有していると考えられています。民間分野においては、2016年5月にSTLサービスの商用提供が開始され、通信網の時間同期、データセンター、金融取引システム、電力網、海事・航空分野など、正確な時刻と位置情報の継続性が求められる重要インフラ領域において導入が進められているとされています。また、2023年3月には通信機器大手のAdtranとのパートナーシップにより、5G通信網における時刻同期ソリューションとしてSTLを統合する取り組みも進められており、通信事業者向けの適用範囲が拡大していると予想されています。一方、防衛分野では、Satellesを買収したIridiumが、2024年6月に米国宇宙軍スペース・システムズ・コマンド(SSC)から、米国防省向けグローバル衛星通信サービスEMSS(Enhanced Mobile Satellite Services)の運用維持・セキュリティ強化を目的とする5年間の契約を契約額9,400万ドル(約145億円)、最大1億300万ドル(約159億円)で獲得したと公表しました。さらに、2025年12月には同SSCから、EMSSサービスセンター・技術支援センター・防衛地上局の技術更新・ライフサイクル高度化・セキュリティ強化を目的とする5年間のIDIQ(不定期不定量)契約「SITH(System Infrastructure Transformation and Hybridization)」を最大契約額8,580万ドル (約132億円) で獲得したと公表しました。これらの契約を通じて、米国防省の衛星通信基盤であるEMSSの整備・維持が継続的に進められており、Iridiumが提供する衛星ベースの通信・位置情報サービス全体が、防衛・国家安全保障インフラの重要な構成要素として位置づけられていると考えられます。

事業状況:
Iridiumは2026年1月、低軌道衛星を活用した3GPP標準準拠の端末直接接続通信サービス「Iridium NTN Direct」(携帯ネットワーク事業者や端末メーカーが既存の規格に準拠したまま衛星通信機能を組み込める仕組み)について、実際の衛星回線を用いた双方向メッセージ送受信を確認するオンエア試験が成功したことを公表しました。同試験では、5G波形アルゴリズムを衛星コンステレーション全体にソフトウェアアップデートで実装し、低軌道衛星経由の双方向通信が確認されています。今後は追加試験およびパートナー連携を拡大しながら、2026年中のベータテストおよび商用提供に向けた準備を進めるのではないかと考えられています。

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注意: 本稿は、公開情報および政策文書に基づく一般的な整理を目的としたものであり、特定の企業、技術、能力の優劣や戦略的示唆を意図するものではありません。個別の分析や議論については、関係者間の適切な枠組みのもとで行われるべきものと考えています。

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