Sierra Space 🇺🇸
所在地:コロラド州 (米国)
累計調達額:$1.7bn (約2,618億円)
最新調達 Series B (2023年9月 $290mn (約446.6億円 154円レートで計算))
著名投資家:Coatue, General Atlantic
著名防衛投資家:-
事業カテゴリー: 最先端製造技術・ディープテックハードウェア
主要領域:宇宙領域
事業内容:次世代宇宙輸送・インフラ構築および防衛衛星システムの開発・提供
Sierra Spaceは、2021年4月にSierra Nevada Corporation(SNC)の宇宙事業部門からのカーブアウト(分社化)により設立された、商業宇宙および防衛テック企業です。同社は、再利用型宇宙往還機と膨張型軌道居住モジュール(宇宙ステーションなどを構成する居住区画・機能ユニット)を組み合わせた低軌道の輸送・居住インフラ一体提供を中核事業として位置づけています。Sierra Spaceの中核商品・サービスは、既存の滑走路に着陸可能な再利用型宇宙往還機「Dream Chaser」と、打ち上げ時はコンパクトで軌道上で膨張させることで約300立方メートルの居住・研究空間を提供する膨張型モジュール(宇宙空間で機能を発揮する加圧構造物・装置の単位)「LIFE(Large Integrated Flexible Environment)」であり、これらを通じて商業宇宙ステーションや「Orbital Reef」構想(Blue OriginおよびSierra Spaceらが構想する、民間主導の商業利用向け低軌道宇宙ステーション計画)向けの軌道輸送・居住ソリューションの構築を目指しています。平時利用においては、2024年1月にNASAと月面での物流およびインフラ構築に関する契約を約360万ドル(約5.4億円)で締結し、膨張式宇宙ステーション技術「LIFE」を月面居住支援に活用する可能性についての調査が進められています。具体的には、物資輸送・保管・追跡・廃棄処理などの月面物流インフラ全般が対象とされており、膨張型ハビタットをトンネルや貯蔵施設として運用する構想が示されています。一方防衛分野においては、同社は2024年1月に米国宇宙開発庁(SDA)からミサイル追跡・監視システムの構築に向けた契約を7.4億ドル(約1,139億円)で締結 したこと。同契約では、極超音速ミサイル等を追跡する「Tranche 2 Tracking Layer」計画向けの衛星18基(ミサイル警戒・追跡衛星16基、ミサイル防衛・射撃管制衛星2基)の設計・製造・納入・運用・維持管理、および2つの地上運用システムの構築が含まれています。同衛星コンステレーション(複数の衛星を連携させた統合システム)は、従来型および先進型ミサイル脅威に対するグローバルで持続的な探知・警戒・追跡能力の提供を目的としているものと考えられています。
事業状況:
Sierra Spaceは2026年1月、宇宙開発庁(SDA)のTranche 2 Tracking Layer(T2TRK)プログラムにおいて、契約衛星18機のうち第1編隊9機の衛星構造体製造を予定より3ヶ月前倒しで完了したと公表しています。T2TRKプログラムでは、最終的に約270機規模の低軌道分散型衛星コンステレーションを構築する計画とされており、その一部として同社は赤外線センサー搭載衛星2編隊18機を担当しています。同社は高速製造施設「Victory Works」の整備により、衛星構造体の量産に対応可能な製造能力を確保しており、今後は第1編隊について組立・統合・試験(AI&T)段階へ移行しつつ、残り9機の衛星構造体製造を進めることで、米国防省の先進的なミサイル探知・追尾ニーズへの対応能力向上に寄与していくことが期待されています。
注意: 本稿は、公開情報および政策文書に基づく一般的な整理を目的としたものであり、特定の企業、技術、能力の優劣や戦略的示唆を意図するものではありません。個別の分析や議論については、関係者間の適切な枠組みのもとで行われるべきものと考えています。