Dragos
累計調達額:$438.2mn (約675億円)
最新調達:Series D (2023年9月 $74mn (約114億円 154円レートで計算))
著名投資家:-
著名防衛投資家:-
事業カテゴリー:レジリエンス・アクティブデフェンス
主要領域:サイバー・デジタル領域
事業内容:産業制御システム向けサイバーセキュリティプラットフォームの提供
Dragosは、元米国空軍出身のRobert M. Lee氏が2016年に設立された、産業用制御システム(Industrial Control Systems: ICS)および運用技術(Operational Technology: OT)の保護に特化したサイバーセキュリティ企業です。同社は、電力・石油・ガス・製造業などの重要インフラを標的としたサイバー攻撃を防御するため、資産の可視化・脆弱性管理およびインシデント対応を統合した「Dragos Platform」を提供しています。一般的なIT環境(Information Technology:データの処理・管理を目的とした情報システム基盤)とは異なり、OT環境(Operational Technology:これらの施設で稼働する機器・設備を直接制御・監視するシステム基盤)では産業専用通信規格(プロトコル)が使用されており、システムを停止できない・リアルタイム制御が最優先という特有の稼働要件があるため、汎用的なITセキュリティ製品では対応が困難です。このため同社は、既知の攻撃だけでなく未知の挙動も解析可能な専門インテリジェンスチームを擁し、OT固有の脅威に対応する体制が構築されています。民間領域においては、DragosとRockwell Automationの提携により、Dragosのサイバーセキュリティ製品・サービスとRockwellの産業制御システム向けソリューションが組み合わされ、ICS環境における脅威の把握と防御能力の強化が進められています。Rockwellのサービス網を通じて、Dragosの脅威の監視・分析やサイバー攻撃発生時の対応支援の機能が提供され、OT資産の監視精度向上を通じた安全なデジタルトランスフォーメーション(DX)への支援が期待されています。一方防衛分野においては、2022年2月にCISA(サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁)およびNSA(国家安全保障局)と提携し、匿名化された脅威データを官民でリアルタイム共有する「Neighborhood Keeper」プログラムを推進しています。このプログラムにより、CISAとNSAは、ICS/OT脅威の匿名集約情報や脆弱性データにリアルタイムアクセスを獲得し、検知された脅威に関する情報を参加者へ即座に共有することで、重要インフラ全体の集団防御が実現されると予想されます。
事業状況:
Dragosは、グローバル規模での事業成長とOTセキュリティ市場での支配的地位を確立するため、2025年8月に、サイバーセキュリティのエキスパートであるEric Cross氏を最高収益責任者(CRO)に任命しました。今後はDragosの販売組織とパートナーエコシステムの強化を統括し、同社の民間及び防衛領域のさらなる拡大に貢献すると期待されています。
注意: 本稿は、公開情報および政策文書に基づく一般的な整理を目的としたものであり、特定の企業、技術、能力の優劣や戦略的示唆を意図するものではありません。個別の分析や議論については、関係者間の適切な枠組みのもとで行われるべきものと考えています。