HawkEye 360 🇺🇸
所在地:バージニア州 (米国)
累計調達額:$562.3mn (約866億円)
最新調達: Series E (2025年12月 $150mn (約231億円 154円レートで計算))
著名投資家:Insight Partners
著名防衛投資家:Lockheed Martin Ventures, Shield Capital Partners
事業カテゴリー:衛星・レーダーによる監視・観測
主要領域:宇宙領域
事業内容:小型衛星群を使用し、地上のRF信号を分析、地理空間の情報提供を行う
HawkEye 360は、元Sheild CapitalのベンチャーパートナーであるJohn Serafini氏、元国家安全保障局(NSA)研究部門責任者であり、Federated Wireless (プライベート無線ネットワーク構築を行う企業:調達資金総額 $210.7mn 約324億円) の共同創設者であるCharles Clancy氏、元国家偵察局(NRO)の信号情報計画局でディレクターChris DeMay氏、そしてバージニア工科大学の客員教授であるRobert McGwier氏によって2015年に設立された、地理空間情報サービス企業です。同社は、衛星による無線周波数(RF)信号の検知と位置特定を目的としており、海洋領域認識(maritime domain awareness)や電波スペクトラムの利用状況監視といったサービスを提供しています。同社の中核技術は、3基の衛星がそれぞれ異なる角度から同じ電波信号を捉え、到達時間差を計算することで発信元の位置を特定するシステムで、船舶の無線信号、航空機の信号、レーダーシステム、通信ネットワーク、ナビゲーションシステムなど様々な電波信号の発信源を特定することが可能です。平時の利用では、遭難した船舶や航空機が発信する救助信号の受信と位置特定により捜索救難活動の支援が進められ、また海上で電波信号を偽って位置を隠そうとする船舶の不正行為を検知することで、密輸や違法な海上活動の検知に活用される可能性が示されています。さらに、各国の通信企業や無線管理機関による周波数利用状況の監視及び電波干渉防止に活用されると予想されています。一方防衛分野では、2025年12月に米国海軍が契約を更新し、約9,880万ドル (約148億円) の複数年契約を発注し、太平洋地域での不審な船舶の行動把握、海上での違法活動の検知等における重要な役割を果たしていると考えられています。また、同社は2025年7月にGPS干渉・スプーフィング検知機能(正規の信号を装った偽のGPS信号を発信し、位置情報や時刻を誤認させる「なりすまし」行為を識別・特定する機能)の強化を発表し、防衛・情報機関向けのサービス拡充が図られています。併せて、人工知能を活用した船舶追跡機能「Vessel Custody ID」により、複数の衛星観測を通じて高関心船舶の継続的な監視が防衛・情報機関向けに提供される可能性があると考えられています。
日本での事業状況:
HawkEye 360は2018年から日本の大手商社・住友商事からの出資を受けており、日本市場進出の基盤を作ってきました。2025年6月から日本での営業活動が本格化し、新しい日本市場の責任者として、元・住商エアロシステム株式会社のCEOであるHenry Ogawa氏が着任しています。太平洋地域で海上監視・防衛分野の重要性が急速に高まる中、アメリカ主導のパートナーシップに日本も参加国として関わることが予測されています。特に今後、中国との尖閣諸島問題及び威嚇等が行われる中、日本の海上保安を確保することは重要であり、同社の地理空間把握サービスが活用される可能性が高いと期待されています。
注意: 本稿は、公開情報および政策文書に基づく一般的な整理を目的としたものであり、特定の企業、技術、能力の優劣や戦略的示唆を意図するものではありません。個別の分析や議論については、関係者間の適切な枠組みのもとで行われるべきものと考えています。